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日语学习:涼風献上

来源:明好教育2016-04-23 11:31:59您是第位阅读者

いまの季節、暑中見舞いのはがきが職場に自宅にちらほら少しずつまばらにあるさま。また、たまにあるさま。ちらりほらり届く。賀状はたいてい印刷だが夏の便りは手書きが多く、読んではなごむ。わんぱく仲間だった幼なじみが、いつもながらの暑苦しい字で「涼風献上」と書いてよこしよこ?す【▽寄越す/▽遣す】こちらへ送ってくる。こちらへ渡す。「手紙を―?す」「使いを―?す」「分け前を―?す」たりする(现在这个季节,酷暑慰问的明信片零零星星地送到单位和家里。卡片大都是印刷的,但夏季的信,手写的较多,一读之下感动莫名。曾是淘气伙伴的童年铁杆都会一如既往地,在炎热之中写些“凉风献上”之类,邮寄过来。)


▼漢字の文化はありがたいもので、「涼」の字を眺めるだけで、ふっと体感温度が下がる気になる。梅干しを見ると唾(つば)がわくのと同じ作用だろうか。納涼、涼気、夕涼み……この一字がなかったら、日本の夏はもっと暑いに違いない(汉字文化是宝贵的东西,只是看一眼“凉”这个字,就会感觉身体温度陡然下降。这和看到梅干会咽口水的作用是一样的吧。纳凉、凉气、吹凉风……没有这个字、日本的夏天肯定会更热。)


▼「涼味数題」という随筆を、物理学者の寺田寅彦が書いていた。「涼しさは瞬間の感覚である。持続すれば寒さに変わってしまう」と、言い得て妙cleverly [aptly] described [put/expressed]だ。日本人の五感はかつて、ささやかな涼にずいぶん敏感だったらしい(《凉味数题》这篇随笔,是物理学家寺田寅彦写的。“凉爽是瞬间的感觉。如果持续下去就变成寒冷了”——妙趣横生啊。日本人的五官对于一点点凉都是极度敏感的。)


▼体ひとつで暑気に耐えるしかなかった時代である。涼を感じるセンスしだいで、夏は楽にも苦にもなったろう。ひるがえって今、スイッチひとつで人工冷気が部屋に満ちる。ありがたいが、そのぶん人の五感は鈍りがちだ(那是一个只能依靠一副身板来抵御暑热的时代。根据感受凉快的官能,夏季也会或乐或苦。反过来看现在,动一下开关,人工冷气就会溢满屋子。这虽然是可喜可贺的,但人类的五官也因此偏于迟钝。)

 
▼〈一匙(ひとさじ)のアイスクリムや蘇(よみがえ)る〉の一句が子規にある。時は移っても、一瞬の涼に生き返るような心地が、暑い夏の幸福感なのは変わらない。炎暑に縁取られてfringedこそ「涼」の字は冴(さ)えるbright [clear/vivid](“一匙冰激凌下肚 身体苏醒了”——这一首俳句出自子规。就算斗转星移、酷热夏季的幸福感来自一瞬的凉意之下重生的感觉,这一点是不会改变的。被炎夏围绕,“凉”字如此鲜明。)

 
▼そろそろ夏休みという人もおられよう。寅彦先生はこうも言う。「義理人情の着物を脱ぎすて、毀誉褒貶(きよほうへん)の圏外へ飛び出せば、この世は涼しいにちがいない」。処世の術を忘れ、「いい人」をやめて、風に吹かれるにかぎる。遠くを眺めながら。 (有人马上就要放暑假了吧。寅彦先生这么说。“如果脱掉义理人情、跳出毁誉褒贬的圈子,人间肯定会变凉快的。”忘记处世之道、告别“好好先生”、能吹风就别无所求。一边眺望着远方。)

日语学习 涼風献上

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